【こんな症例も治りますシリーズ 554】 『 ウサギの呼吸器疾患(スナッフル) 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上のイラストは、ウサギさんのスナッフル初期症状の一つです。

■ ウサギさんの前足の内側をチェックしてみて下さい。

■ 『赤丸の部分』に、粘液や、乾いた汚れがついていたら、『スナッフルかも?!』と思って、病院に連れて来て下さい。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3AQ2Ujd

 

ウサギ 7歳  メス(未避妊手術)

 

 

【 鼻が詰まって苦しそう。 食欲がない。 】ということで来院されました。

 

 

 

◆◆ 飼い主様からお話を伺ってみると、『 2週間くらい前から時々、クシャミをして、はじめは透明な鼻水が出ていたのですが、2日前くらいから、白っぽい鼻水が鼻の穴にこびりついて、息をするのも苦しそうでした。 昨日は食欲もなく、今朝、お皿を見てみるとほとんど何も食べてないみたい。 』とのことでした。

 

 

■ うさぎさんが、細菌感染により鼻炎や気管支炎などの呼吸器疾患にかかると、クシャミや粘液性の鼻水といった症状がみられます(このような症状を総称してスナッフルといいます)。

 

 

 

 

■ 原因菌としては、パスツレラ菌が関与してることが多いと言われていますが、その他にもボルデテラ菌や緑膿菌が原因になることもあります。

 

 

■ 初期には水溶性の透明な鼻水やクシャミがみられますが、進行がすすむと膿性の鼻汁で鼻の穴が詰まったりして、呼吸しづらくなり食欲もなくなります(うさぎは主に鼻呼吸をしますので鼻詰まりは大敵です)。

 

 

 

■ また、病気が重症化して肺炎にまで進行すると、回復が難しくなり、時として命に関わる場合もあります。

 

 

 

■■ 治療としては、通常、抗生物質の点眼鼻薬や経口薬で投与を行いますが、場合によってはネブライザー治療を行います。

 

 

■ さて、このうさぎさんの場合、レントゲンでは気管支、肺は正常でしたが、高齢であることや食欲がなくなっていることを考えて、半日お預かりしてのネブライザー治療を行なうことにしました。

 

 

■ ただ、通常、当院で使用するネブライザーに入れる薬液には抗生剤も入っていることから、うさぎさんが下痢をしないよう、うさぎさん用の薬液を使うことにしました。

 

 

 

■ 3日間続けて通院してもらい、ネブライザー治療を行ったところ、『 鼻づまりもなくなり、元気も食欲も取り戻して、すっかり良くなった 』と嬉しそうにお話下さいました。

 

 

■ ただ、この病気では、原因菌を完全にいなくすることが難しいため、一度治ったように見えても、ストレス等で抵抗力が落ちた場合には再発を繰り返すことが考えられますので、今後も注意しなければなりません。

 

 

■ 気になることがありましたら、お早めにご相談ください。

 

 

獣医師 泉 政明

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